同じ絵本を繰り返し読むのはアリ?
「この絵本読んでー」と持ってくる絵本がいつも同じ。
「またこの絵本?」と何度思ったことか…。
子どもって、本当に同じ絵本ばかり読みたがりますよね。
「同じ絵本ばかり読んで大丈夫なの?」
「新しい絵本も読んだ方がいいんじゃない?」
そんな疑問を持つ両親は多いはず。
なぜなら、それにはたくさんのメリットがあるからです!
私、よたろうは3児の父。
7年以上毎日、子どもに読み聞かせを続けています。
絵本の感想は毎日X (旧Twitter)に残しています!
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そんな私が、「同じ絵本を何度も読みたがる理由」と「新しい絵本への興味を引き出すコツ」を解説します!
同じ絵本を何度も読みたがる理由とメリット

絵本に限らず、大人でも、好きな映画やドラマを繰り返し見ることってありますよね。
私も、ジブリ映画は何度も見ました。
セリフを覚えるくらいに!
「なぜ?」って聞かれたら一番の理由は単純に
- 「好きだから」
- 「面白いから」
と答えると思います。
子どもも同じで、好きな絵本は何度も読みたくなるもの。
繰り返し読むのが「好き」な理由はコレです。
物語を深く味わいたい
「理解する力」が成長途中の子どもは、絵本を一度読んだだけで全て理解することはできません。
繰り返し読むことで、少しずつ自分のペースで「わかった!」を積み重ねていきます。
大人でも、一度見ただけではよくわからない映画や、複雑なストーリーのアニメってありますよね。
例えば、『エヴァンゲリオン』とか『ミステリー映画の伏線』とか。
何度も見返して、「やっと意味がわかった!」という経験、ありませんか?
エヴァに関しては、いまだによくわかりませんが(笑)
でも、だからこそ何度も見るのが楽しいんです!
子どもが絵本を何度も読むのも同じです。
同じ絵本を、何度も読んでいると、今までは気づかなかった発見をします。
- 背景やキャラクターの「絵」の変化
- 登場人物の「気持ち」の変化
前のページにいたキャラクターが次のページにもいる。
最初に出てきたときと服装が変わっている。
絵本の全ページに何かが隠れている。
そんな「絵」の変化や発見の面白さ。
初めて読んだときはただの悪役だったキャラ。
でも、何度も読むうちに「本当は寂しかったんだ」と、「悪役」なりの事情や動機に気づくこともあります。
そんな登場人物の「気持ち」の動きや中身に気づくと、物語の見方が一変します。
こんな発見が楽しいから、同じ絵本を何度も読みたくなるんです。
お気に入りのキャラと触れ合いたい
絵本に限らず、映画やドラマの好きな役者さん、アニメの推しキャラ。
「この人が出るから見る」って作品ありませんか?
絵本にも魅力的なキャラクターが登場する作品はたくさんありますよね。
- 顔が面白い
- 口癖が楽しい
- 動きがユニーク(変な歩き方をする、飛び跳ねるなど)
- 毎回「どこにいるかな?」と探せる楽しみがある
お気に入りのキャラに愛着が湧いて、そのキャラに会いたくて何度も読みたくなる。
というのは自然なことです。
うちの話ですけど、2歳の次女は「どんぐりむら」シリーズに登場する 髪が巻毛で、目がキラキラしたどんぐりの女の子 がお気に入りです。
その女の子見たさに「どんぐりむらのぼうしやさん」を何度も読んでいます。
でも、このどんぐりの女の子は主人公ではないし、セリフすらありません。
子どものハマるキャラクターが、 必ずしも主人公ではない ところも面白いですね。
お子さんが、何度も同じ絵本を読みたがるのは大好きなキャラクターがいるからかも!
言葉やフレーズを覚えたい
黙れ小僧!
ハクナ・マタタ!
この紋所が目に入らぬか!
やられたらやり返す…倍返しだ!
おれは、海賊王になる男だ!
お気に入りのシーンやセリフって誰にでもありますよね。
「天空の城ラピュタ」が地上波放送されるたびに、「バルス!」をX(旧Twitter)に書き込みたいだけで見る人もいるくらいです。
名作に名言は付きもの、絵本も同じです。
- セリフやフレーズを、絵本を読んでもらいながら、一緒に言うのが楽しい!
- 絵本まるごと一冊、覚えたい!
こんな楽しみ方もあるんです。
例えば、うちの2歳の次女は『おつきさま こんばんは』にハマって、たどたどしくも一緒に読むようになりました。
「おつきさま こんばんは」のフレーズを覚えて、寝る前に窓の外を見ながらつぶやくことも。
こうやって言葉のリズムや響きを楽しみながら、自然に言葉を身につけていくんですね。
中身を知っている絵本を見たい
初めて読む絵本には
次はどうなるんだろう??
という、ドキドキやハラハラ感があります。
逆に、すでに知っている絵本には、「次はこうなる!」と、予測ができるので安心感があります。
予測が楽しい!
何度も読む絵本の内容は、子どもも自然と頭に入ってきます。
知っている内容だからこそ、次の展開が予測できます。
子どもは、予測が当たるのが楽しいんです。
例えば、
- ページをめくる前に「次は〇〇が出てくるよ!」と得意げに言ったり
- 登場人物のセリフを先に言っちゃったり
これは、ストーリーをしっかり覚えている証拠!
大人も「この場面、次はこうなるんだよな~」と知ってる映画を見返して、好きなセリフを一緒に言いたくなること、ありますよね。
言葉やフレーズを覚えたいのところにも書きましたが、子どもも、それが楽しいんです!
安心感がある
うちの7歳長女は『ドラえもん』の映画が苦手です。
映画のドラえもん特有の「悪役が出てきて、ちょっと怖い雰囲気」がダメみたいです。
最後まで見ずにギブアップすることも少なくありません。
最後まで見て、ハッピーエンドになることがわかっている作品は大丈夫だけど、初見の作品はかなり警戒します。
これと同じで、「知らないストーリーに挑戦するのが怖い」という子も少なくないと思います。
子どもにとって、「知っているストーリー」は安心感があったり、心地よさを感じる時間なんです。
他の絵本に興味を持つ「きっかけ」

同じ絵本を何度も読む理由はわかったけど、正直なところ、親としては「またこれか…」と思ってしまうことも。
そして、「そろそろ違う本も読んでほしいな」と思うのも本音ですよね。
お気に入りの絵本に近い絵本を読む
同じシリーズの絵本を読む
お気に入りの絵本が「ノラネコぐんだん」などの「シリーズもの」なら「ノラネコぐんだん」の別のお話を読んでみましょう。
シリーズ絵本は、どの作品も、お馴染みのキャラクターが出てきます。
お気に入りの絵本との繋がりを感じて、別の絵本でも物語の世界に入り込みやすくてオススメです。

似たテーマの絵本を読む
お気に入りの絵本が「シリーズもの」でない場合は、「似たテーマの絵本」を読んでみましょう。
例えば、お気に入りの絵本が「パンダが出てくる絵本」なら、
- 別のパンダの絵本
- 動物が登場する絵本
- 白黒の絵の絵本
パンダと関係のある絵本を選んでみます。
これなら興味の延長線上にある絵本なので、子どもも受け入れやすいんです!

好きな作者の別作品を読む
テーマが違っても、お気に入りの絵本の作者 が描いた別の作品を読んでみるのもアリ。
同じ作者の作品なら、絵や物語の雰囲気が、お気に入りの絵本に近いことが多いので子どもも興味を持ちやすいんです。
たとえば、お気に入りの絵本が「かこさとし」さんの「からすのパンやさん」なら
同じ作者の「だるまちゃん と てんぐちゃん」を読んでみる。
これ、「からすのパンやさん」を
書いた人の絵本だよ!
と、子どもに教えてあげれば、興味を引きやすいです。
お話も大切ですが、作品の「絵」を気に入っている場合もあります。
なので「文章」の作者だけでなく、「絵」の作者にも注目してみましょう!
「プラス1冊」作戦
お気に入りの絵本に「プラス1冊」して絵本を読む作戦です。
作戦内容はこちら。
① 「今日は2冊読むよー」と言って、読み聞かせをスタート!
② まずは、子どものリクエスト通り、いつものお気に入りの本を読む。
③ お気に入りの絵本を読み終わったら、
じゃあ次は、
パパが選んだ絵本も読んでみよう!
と提案して読みはじめる。
④ お気に入りの後なら、ちょっと聞いてくれるかも?
何回か試しましたが、成功率は五分五分でしょうか…。
この作戦は、ちょっとコツがあります。
お気に入りの絵本を読み終わった後、あまり間を空けずに次の絵本を読みはじめると成功率が上がる気がします。
お気に入りの絵本の余韻に浸っている隙に読み始めてしまうイメージでしょうか(笑)
「絵本の余韻を楽しむ」と言う意味では、あまり良い作戦ではありません。
しかし、「子どもの興味の幅を広げる効果」はあるので試してみる価値はありますよ!

「なになに?」作戦
それを利用した「なになに?作戦」
内容は実にシンプル。
- パパがママに読み聞かせ
- ママが大袈裟にリアクション
- 子どもが興味を持つ
- いつの間にか子どもも絵本を聞いている
① パパがママに「何度も読む絵本」とは別の「子どもに読みたい絵本」を読み聞かせる。
子どもは興味を示さないかもしれませんが、構わず続行!
② 次に、ママが読み聞かせを聞いて大げさにリアクション!
- 「かわいいー!」
- 「えー!おもしろーい!」
- 「次どうなるのー?」
③ ママの楽しそうな声を聞いて、「なになに?」と子どもが興味を持つ。
④ 「〇〇ちゃんも一緒に見よ」と、ママが子どもを誘って一緒に読み聞かせを聞く。
あら不思議、自然な流れで「新しい絵本」を子どもが聞いている状態になります。
もちろん、パパとママの役割を入れ替えてもOK!
本屋さんや図書館に行く
いろいろ試してみたけど効果がない!
もしかしたら、自宅の本棚にはもう新鮮味がないのかも?
親が選んで用意しても良いですが、可能なら お子さんと一緒に 絵本を選びに行ってみましょう!
本屋さんや図書館で、 自分で絵本を選ぶ体験 をすることはメリットがたくさんあります。
新しい絵本との出会いがある
本屋さんや図書館には、自宅の本棚とは比べ物にならないほどたくさんの絵本があります。
普段読まないジャンルや、親が選ぶだけじゃ出会えなかった「お気に入りの1冊」に巡り合えるかもしれません!
ちょっと難しそうな絵本にも興味を持つきっかけになります。
絵本がもっと好きになる
親や先生にすすめられるより、自分で選んだ絵本のほうが「これは自分の本!」という気持ちが生まれます。
その結果、「読んでみたい!」という意欲もぐっと高まり、読み聞かせも特別な時間になります。
自分で決める力がつく
「どれにしようかな?」と迷いながら絵本を選ぶ時間は楽しいものです。
そして、「本を選ぶ」という行為自体、子どもが「何を読みたいか?」を考え、物事を決める良い経験になります。


それでもダメなら?

どうしても新しい本に興味を持たないなら、お気に入りの一冊を
- 絵本に穴が開くまで!
- 絵本が擦り切れるまで!
- 「もう飽きた」と言われるまで!
徹底的に読みましょう!
好きなものは好き。それで良いんです。
開き直ってOK!
子どもの興味は成長とともに変わります。
ある日突然、新しい本に目を向ける日がくるかもしれません。
まとめ
- 同じ絵本ばかり読んでもOK!むしろメリットが多い
- 物語の理解が深まり、新しい発見がある
- 親が工夫すれば、新しい本にも興味を持ちやすい
- それでもダメなら、好きな本をとことん楽しませよう!
「またこの絵本?」と思う日々も、いずれ懐かしくなるはず。
子どもが大きくなって、絵本の読み聞かせが必要なくなったとき、
ふと「お気に入りの絵本」を見つけて、 あの頃 を思い出すはずです。
そういう意味でも、思い出になる1冊を大切にしたいですね。
今だけの特別な時間を、ぜひ楽しんでください!
よたろう。